腕時計の多石化の始まりが見えてきた1962（昭和37）年9月に製造販売されたオリエント社初の多石化モデルのオリンピア（オリエント）カレンダーオート20石スイマーになります。17.19.20.21.23.30.64石のバリエーションがあり当時は「石数が多い機械ほど高級」と言われていて、国産各社も多石化に向かっていきました。この傾向はオリエントグランプリ100（100石）まで続きます。出品のモデルは自動巻機構にハートカム方式が搭載された国産では馴染みのあまりない機構になります。舶来ではIWCインターなどが搭載していました。出品の物は同モデルの64石の自動巻機構に交換しております。外見ではプラスチック風防を新品に交換しておりますので良好です（縁が丸味を帯びた形状は中々良いと、思っています）。文字盤はレコード盤の様な模様でオールドインターの様な丸ドットが外周を囲み夜光ドットも健在な、舶来モデルを彷彿させる雰囲気がある物です。スイマーとあるように裏蓋にはサンマの様なマークが刻印されています。実際にはオールステンレスケースのスナップ式裏蓋でガスケットが入っている、なんちゃって防水（失礼）仕様です。使用傷が薄くあります。コレクション用に革ベルトを付けていますが実用するには弱いです。過去の修繕記録は裏蓋内側に記載があります。この頃のハートカム方式の自動巻は国産では唯一だと思いますので是非巻き上げの音、感触を味わって下さい。手巻き機構が付加されていますので使用始めは大変スムーズに使用できます。これも、地味に嬉しいですよね。